当店で百年防具を製作しにきたAさんの話です(実話)。
Aさんは、関東の郊外、S県に住んでいました
武道具屋さんは都内にありましたので
ネットで調べた上で、電車にのってお店に向かいます。
すると店頭で驚いたそうです。
「あれ?ネット価格より安くない!?」
そうなんです、そのお店はネット価格より店頭の価格の方が安かったようなのです。
しかし、驚くのはここから。
Aさんはその事を不審がって一度お店を離れることにした瞬間、
「今日決めていただいたら、この価格からあと5,000円値引きしますよ」
と言われたそうです。
それでもAさんは購入を決めきれず、そのお店を出ることにしました。
しばらく経ってやっぱりその剣道具が気になってお店に行きました。
今でも価格はネットと店頭と違うまま。まあ、そんなもんかなとも思いました。
店長さんはいい人で、先日の最後の5,000円の値引きもまだ有効ですよと言ってくれました。
でもやはり優柔不断の悪いクセが出てしまって店を出ることにしました。
そしたら店長がまさかの一言。
「今日決めていただいたら、先日の5,000円の値引きに加えて、さらに5,000円値引きしますよ。合計10,000円引きます。」
こうなると価格に対する不信感しかありません。
Aさんはまたお店を出ました。
また、しばらく経ってやっぱり気になってAさんはその店に足を運びました。
Aさん「店長、私の事を覚えていますか?」
「もちろんです、10,000円の値引きの事も覚えてますよ。」
Aさん「良かった。実は今日覚悟を決めて買いに来たのです。」
「それは良かった、じゃあ今日決めてくれたら先日の10,000円に加えて、さらに5,000円値引きします。合計15,000円です。Aさんは何度もご来店いただいて私どもも出来る限りの対応をしたいと思ってます。」
Aさん「・・・(絶句)」
価格が下がるのは良いことですが、お店にいく度にコロコロと価格が変わることは買い手にとって本当に良いことでしょうか?
もし1回目の来店で購入していたら、、、と思うと怖くなります。
Aさんは結局3回来店して15,000円の値引きで剣道具を購入しました(Aさんから直接聞いたので間違い有りません)。
ただ、Aさんは未だに
「まだ価格は下がったんじゃないだろうか?」
「他のお客さんにはもっと安くしてるんじゃないだろうか?」
と底値で購入できた喜びよりも、不信感が今でも拭えないそうです。