コロナ禍における 剣道具の製作について

1.コロナで価値観がひっくり返りましたね。

確信しました。

今、こうやってコロナの影響で思うように稽古ができない日がつづき、
完全に価値観がひっくり返りましたね。

思うように稽古ができない期間が、これまでフツーに稽古できてた事がいかに幸せかということに気が付かされました。

当たり前だと思っていたものこそ本当にありがたい事だったのですね。

もうひとつ、我々の意識が変わったのは物事の本質を見つめ直すことではないでしょうか。

一回目の緊急事態が終わったあと、都内からあるお客様が香川まで来店され、
百年防具を選びながらこう言いました。

「だって、ウガさん!
私あと何回稽古できると思う?あと何年元気に稽古できるかなんて私の歳になると分からないもんだよ。

コロナの影響でただでさえ、稽古ができなくなったんだよ。残りの稽古を最高の剣道具を身に着けて、幸せな気分で取り組みたいんだ。」

その方は審査会は延期になり、体育館が借りられず、稽古も無くなったとおっしゃってました。

でもそんな中、再開に向けて最高の手刺し防具を作ろうとワクワクして飛行機に乗って当店を訪れてくれたのです。

これまでは手刺し防具はどこか、高価で高級で、特別な材料を使ったイメージだったかもしれません。

でもここへ来て手刺し防具へのイメージも変わりました。

今はもう、手刺し防具は
高級感あふれる特別贅沢な剣道具ではなく、

限られた稽古時間に対して、稽古に真剣に向き合い、

大量生産じゃなく、職人が貴重な材料と膨大な手間と時間をかけて
自分のためにオンリーワンで身体にピッタリあった防具を製作してくれる事、

そしてそんな防具を身に着けて稽古が出来ることに我々は価値を見出しているように感じます。

コロナ禍になって防具の製作に非常に時間がかかってますが、
1年かかるかも、といっても待ってでもいいから良い防具作ってっていう人増えたように思います)

こういう時代だからこそ、
セールで買った既製品ではなく、修理しながら長く大切に使える自分だけの手刺し防具こそが今1番求められているんだと思います。

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