コロナ禍における 剣道具の製作について

4.コロナ禍での将来的な剣道具の製作について

もうね、危機感しかないです。

もちろん私の勝手な意見なので間違ってるかもしれませんが、
手刺し防具は10年以内に無くなる気がしています。

手刺し防具専門店として力及ばず大変歯がゆい気持ちですが、昔から近い将来無くなるだろうなぁと漠然とは思っていましたが、
コロナで絶滅に向けて一気にスピードアップした印象です。

1.まず学生さんが主に使っているミシン刺防具は海外での大量生産してるのですが、

コロナ禍でミシン防具が売れない →でも大量生産だから製作を止められない → 今すでに大量に在庫になってる。→赤字覚悟の叩き売り の状態です。

これ、消費者にとって見れば一見良いことのように思えますが、健全経営ではなく、業界危機的状況ですね。

2.オーダーメイドの手刺し防具については

実際、もう今でさえもう昔のようには作れないんですよね。

手刺し防具→そもそもオーダーメイドだから製作できる数が少ない→売れない→作らない、作れない→職人、材料無くなって→絶滅

これにはやはりコロナの影響も大きくて、手刺し防具を買う人が減ったから職人さんも仕事を休み、休みでやらざるを得なくなった。

そうすると製作をお願いしても全然が仕上がってこない。
品質が落ちたとかそういうことではなく単純に製作にものすごく時間がかかる。

当店は手刺し防具の専門店なのでまだコロナ禍とはいえ、台数は作っている方だと思うけど、それでもそれぞれの職人さんのところで目に見えて仕上げるのが大変になってきています。

今ウチの納期は半年から1年で見てもらってます。そんなにかかるのと思われるかもしれませんが、まだ良い方です。

繰り返しますが、今でさえ、もう昔のように製作できていません。
品質は上がっていますが、時間がかかっています。

逆に言えば、お時間さえいただければ、
今なら、当店史上最高の剣道具をお作りできています。

職人さんのところに言ったら、たまたま棚に仕上がった垂がたくさん積み上げられていて、「うわぁ、コロナ禍でも結構作られてるんですね」って言ったら「これ全部百秀さんのですよ」って言われた。よく見たら実際ウチのお客さんばかりだったわ。

それとやはり材料も職人さんの工賃もびっくりするくらい上がっていて

今後手刺し防具は

①10年以内に無くなるかも?
②品質を維持するため、さらなる値上げ

の2つの流れが同時に起こると予想しています。

世の中不思議なもんで良い材料から無くなっていきます。
代用品として安価な石油製品の人工皮革、クラリーノなどが普及すればするほど
本物が欲しくなるんですよね。

つい先週も面金の価格が上がりますと職人側から連絡がありました。

でもね、これでも今まだ、製作できればまだ良い方で、
決して大げさではなく当店でも近い将来製作そのものを受けることができなくなると思います。

危機感しかないですね。

その日がくるまで職人さんと協力して1台、1台、大切に剣道具をお作りしたいと思います。

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